拝啓 元カレ上司サマ

それから姉は、当時のことを思い出したようで、矢継ぎ早に言う。

「煌太に助言したくても、ドクターから放っておくように言われたから、馬鹿正直に放っておいたら、あんたは何を血迷ったのか、優希さんと付き合ってるなんて言うし…、もうこの際、本当に観念して優希さんとやり直しなさいよ。第一、麗香ちゃんだってあれから何年も経ってるし、彼氏の一人や二人いるでしょう?」

ズバズバ言い放つ姉の言葉は、煌太の心に棘を突き刺していく。

返す言葉がなくなってしまった煌太は、自分の不甲斐なさに嫌気がさした。







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