拝啓 元カレ上司サマ
葛西家の方でも家族会議が行われていた。
優希は泣きじゃくるばかりで、状況説明も何もあったものではない。
少しでも彼女を落ち着かせるように、母親が温かい紅茶のカップを優希に手渡した。
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この母娘は顔も体型も、はたまた性格までそっくりな一卵性母娘で、優希が高校生くらいまでは母娘が結託して行動をともにしており、父親は存在感が薄かった。
でも実は、愛娘の結婚を涙しながらも大変喜んでくれた⁉娘大好きパパである。
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取り敢えず、家族の長である父親が、先ずは、どちらかに不貞と思われる行為はあったのかということを尋ねた。
そして、紅茶の温かさに癒されたのか、優希は質問に答えるようになっていた。