拝啓 元カレ上司サマ

8畳の和室に総勢7人が座っているので、少々窮屈には感じるが、皆真剣に話し合おうとしているのが分かる。

先ず真っ先に話し出したのは煌太の父親で、煌太が結婚式の数日前に記憶を取り戻したために、ここ何ヵ月もの間、優希に対して酷い対応をしてきたことを端的に語った。

ここでは、煌太が元カノ麗香を未だに思い続けていることは、今回は伏せられた。

何故なら、麗香のことを告げると余計に拗れることになりかねないから。

そして煌太が頭を下げる。

「優希、本当に悪いと思っている。義父さん義母さん、優希さんを傷つけてしまって申し訳ありません」

そう言って葛西親子に謝罪する。

「良かった。煌太君、記憶が戻っていたんだね。それで、思い出したことは、優希にどのような影響があるんだい」

そこへ優希の父親が煌太に尋ねた。


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