拝啓 元カレ上司サマ

率直な疑問に一瞬怯んだのだが、煌太は意を決して、優希の両親に二人の関係を包み隠さず話し出した…麗香のことは隠されたままで。

結婚数日前から、優希に連絡すらしていなかったこと。

それは記憶が蘇った混乱があったせいで、そのためにその後の結婚生活でもまともに優希と向き合えなかったこと。

今後は夫婦二人で話し合って、ともに生きて行く覚悟があること。

これらは昨夜家族と打ち合わせたことで、煌太はそれを淀みなくつらつらと話す。

本当は麗香への未練が随分と残っている状態で、それでも優希の存在がこの2年程の間、煌太の救いになっていたのは事実である。

そう、煌太はこの時、麗香のことを諦めて優希を選んだのだ。

もう麗香との未来がないことに絶望して。








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