拝啓 元カレ上司サマ

「嗚呼、今日も麗香が一番綺麗だったな」

「やっぱり、宗也さんが好きだなあ」

お互いにこっそり思っていたが、目が合うと指を絡ませるように手を繋いで、夜の闇へと消えていった。

ー**ー*ー**ー*ー

二次会へ行った面々は、派手に酔い潰れる者もなく、和気あいあいとカラオケに興じている。

ただ1人だけ他の者よりも目が血走って、彼氏を絶対ゲットしてみせると息巻いていた、あのバリキャリの先輩は、どうやら今回もめぼしい結果が得られなかったようだが…。

受付嬢清乃に酔った勢いで言わせてみれば、

「先輩は可愛いげがないんですよ。賢いのは分かりますけど、性格は直ぐには変えられませんけどね、もっとこう、化粧とか服装とか変えたらどうですか?」

その日以降、清乃はバリキャリ女子の専属講師となって、二人一組で合コンの女王と呼ばれるまでになったのだった…。




< 194 / 496 >

この作品をシェア

pagetop