拝啓 元カレ上司サマ

その頃煌太はというと、優希が義姉と会うために出掛けたことも知らず、書斎に籠ったまま、日がな一日麗香のことを考えていた。

どうすれば愛しい麗香のことを忘れて暮らしていけるのだろう、どうやったらこの心に蠢く黒い感情を皆に気付かれずに過ごせるようになるのだろうと。

しかしながら、結局何も思い付かずに堂々巡りになってしまうのだ。

そして、止めどなく流れる涙を拭おうともせずに眠りに就くのが、今の煌太の精一杯の週末の過ごし方であった。




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