拝啓 元カレ上司サマ
『指切りげんまん嘘ついたら針千本飲ます、指切った』
結婚する時、死ぬまで添い遂げようと、二人約束したはずだった。
「嗚呼、俺は最初から間違いを犯していたんだったな…」
チャペルで神と皆に誓ったあの時も、そして今でさえ、心の底では元カノの残像を追い掛けていて、未だに麗香への想いを昇華出来ずにいることで、優希を不安にさせていたのかも知れない。
煌太は今さらながら、申し訳なく感じていた。
優希のこれまでの献身に対して、妻として大切にしてやろうと、ずっと考えていたのだが…。
けれども、そんなおざなりな態度や考え方など、何事にも敏い優希はお見通しだったのだろう。