拝啓 元カレ上司サマ

煌太が記憶を取り戻して以来、微妙な間柄と相成った二人は、この先どうするべきなのか、お互いに考えあぐねている状態で。

今のところ煌太は、取り敢えず静観の構えを崩してはいないけれども、一応は妻である女に、夫である自分以外の男の存在があるのは、さすがに堪える。

元はと言えば、煌太の蘇った記憶のせいで、順風満帆と思われた優希との関係に水を差すことになったのだからと、優希の不貞だと思われる行動を見て見ぬふりを決め込んで来た。

それは全て自分のせいだと、優希に心を開けなくてすまないと、そう思っていたから。

しかしもうお互いに話し合う頃合いが来たのかと、煌太はとうとう行動に移すことにした。













< 250 / 496 >

この作品をシェア

pagetop