拝啓 元カレ上司サマ

しかし、皆に可愛がられているのは良いとして、副社長である宗也の業務が滞る事態は避けなければならないのだが、如何せんこの副社長、嫁自慢だけでなく、息子自慢をも始める始末。

「宗也さん、悠一郎のお父さんとして恥ずかしくないお仕事をしてください」

これはイカンと認識した麗香の一言で、俄然やる気を取り戻した宗也が、ここ数年のうちで一番の売り上げに貢献したのは、語り草となっている。

そうそう、この後直ぐに社内託児所が出来て、幼子のいる社員のみならず、近隣住民の子供まで預かることが可能な保育所が出来たのだけれど、これも麗香の一言で宗也が動いたお蔭である。

ちなみに、麗香と悠一郎が会社に出向く時には、お友達でいっぱいの託児所で宗也を待つのが恒例となっている。









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