拝啓 元カレ上司サマ
結婚して六年程で家族も増えて、二人は慌ただしいながらも日々幸福で充たされている。
上のお兄ちゃん達も末っ子の薫子に世話を焼いており、とても楽しそうだ。
宗也は副社長業をそつなく熟し、時々会社を訪ねて来る何年経っても美しい愛妻と可愛い可愛い子供達を社員とともに見守る。
宗也は毎日毎晩、幸せを噛み締めていた…嗚呼、自分は何て幸運なのだろうと。
しかし、この絵に書いたような素敵な家庭に、少しずつ忍び寄る黒い影に未だ気付かずにいた。