拝啓 元カレ上司サマ
宗也は術後の経過が順調であったため、2週間で自宅療養となっていた。
身体は多少辛いけれども、日がな一日、愛妻と可愛い子供達と過ごす。
闘病中にもかかわらず、朝も昼も夜も家族揃って過ごせるなんて幸せだなあなどと暢気に構えている宗也は、楽天的な人間なのであろう。
もしかしたら、本当に完治するのではなかろうかと、家族に期待を持たせる体調の良さも手伝って、皆の表情は明るい。
宗也も病気をやっつけると、日夜頑張っているのだ。
そして麗香は、
「どうか神様、私達の幸せを奪わないで!」
と毎日毎日祈るのだった。