拝啓 元カレ上司サマ
子供達の中で、宗也に最も似ている悠一郎は、空気を読むのに長けているようだ。
赤ん坊の頃から母親と共に会社に出社⁉して、大人の間を渡り歩いてきただけはある。
麗香が手を離せない時には、まだまだ幼い兄妹の食事をさせたり食器を下げたり、小学生の手伝える最大限のことが出来るようになった。
そんな頼れる長男を目尻を下げてみていたのは、宗也だった。
あんなに小さかった悠一郎が、兄妹の面倒までみられるようになったかと、涙を滲ませる。
最近の宗也は、時々体調を崩すことがあって、どうにも涙もろくなっているようだ。
以前のように、バリバリ仕事を熟す感じではなく、やれることだけを一生懸命やるだけである。
そんな彼に周りも気遣って、心配そうに見ているのだ。