拝啓 元カレ上司サマ
雪の花と決意
異動の内示があってから一ヶ月。
煌太は既に新天地にいた。
白い雪の花が舞い散るこの土地は、煌太にとってはそれまで縁もゆかりもないところだけれど、人々は温かく迎えてくれたこともあって、案外暮らしやすい。
煌太の新しい職場は東北の小都市にあって、新幹線の駅とは目と鼻の先。
いざというときには、直ぐに帰郷も出来る。
でも、覚悟を決めてここに赴いた以上、何かを成し遂げようと、煌太は固く誓うのだった。