拝啓 元カレ上司サマ

病人のいる、しかも不治の病と闘う家族のいる場合は、僅かな病状の変化に誰もが一喜一憂しているはずで、況してや、その病人に愛する妻や子供がいれば尚更のこと。

宗也の両親や田上一族だって、大切な家族が重病に苦しんでいて、しかも自社の副社長が患っているという状況に、何がなんでも開発中の医薬品を役立てて欲しいと思っていた。

しかし、効果があったのかどうかは、これからの検証を待つことになるのだが…。

ただ、宗也も会社側も目に見える効果を期待していただけに、落胆は大きいだろう。



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