拝啓 元カレ上司サマ

麗香はハッと我に返り、一番無念なのは宗也なのだと思い至った。

身体だって辛いはずなのに、今日だって家族のために遠出までしてくれた。

子供達の思い出作りに必死な宗也の姿を思い出して、こんな時に自分が泣いていては夫を支えられないと、気を引き締め直す。

夫婦が話し合った結果、最期の最期まで、一瞬一瞬を大切に生きること(永劫回帰)を約束して、可愛い子供達が眠るベッドの中央部分に二人して横になった。




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