拝啓 元カレ上司サマ

田上周防両家から手伝いの者が入れ替わり立ち替わりひっきりなしに訪れて、学校や保育園の送り迎えなどとても助かっている。

そのお蔭で、昼間は長女の薫子に本を読んであげたりままごと遊びに付き合ったりと、宗也も新鮮な感覚でいる。

やはり女の子と男の子とでは遊びが違うと、つくづく感心させられたのもだ。

薫子が嫁に行くまで生きていられたらと言葉には出さずに、きっと叶うことのない願望を胸にしまい込んで、薫子を抱っこした。

「お昼御飯ですよ」

はーいと二人は大きな声で返事をして、麗香の待つダイニングルームに急いだ。


< 342 / 496 >

この作品をシェア

pagetop