拝啓 元カレ上司サマ

気持ちが沈んだまま浅い眠りを繰り返し、途中、悪夢にうなされる。

夢の中では煌太と麗香は夫婦のようで、妻である彼女が突然消えてしまうというストーリー。

ハッと目覚めると辺りは漸く白んできた時刻。

煌太は、頬が濡れていることに気が付いた。

そうだ、夢の中では呼べど叫べど麗香からの返事はなくて、不安に押し潰されそうになって、悲しくて寂しくて、泣いてしまったのだ。

「麗香は泣いているだろうか…」

煌太は麗香の心痛を思うと、本当にやりきれなくなる。

そして、もう少し寝るかと寝返りを打った。




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