拝啓 元カレ上司サマ

結局、眠れたのかどうか微妙な朝を迎えてしまった煌太は、ボーッとする頭で、葬儀に行かなければと考えていた。

「気が重いな…」

かつて営業所の会議室で、麗香を巡って少々ムキになったことが昨日の出来事のように思い出される。

麗香と田上副社長の仲睦まじい姿が蘇って、若くして病死した彼の無念さは如何ばかりかと胸を痛めるとともに、人生の儚さを知る。





< 356 / 496 >

この作品をシェア

pagetop