拝啓 元カレ上司サマ
君のこと
駐車場に差し掛かった時に、前日にも遭遇したマンションのオーナーに出くわす。
あちらも喪服姿で、おやという表情をしたオーナーが近寄って来た。
「おはようございます」
聞けば、姪っ子の御主人の葬儀だとのことで、煌太はもしやと思い尋ねてみるが、やはりその姪というのは麗香のことであった。
必要以上に驚いてしまった煌太はそれを取り繕うように、自分は麗香の元上司で、田上副社長とも見知った仲であると告げると、オーナーも驚いていた。
それから二人は、また後程と言って別れたのだった。