拝啓 元カレ上司サマ

微妙な表情のメンバー達が、ハッと我に返り、今日は飲もう、飲もう!とわざとらしく、先程までの流れを払拭するかのように乾杯を繰り返した。

少し落ち着きを取り戻した煌太は、食事を運んで来た女将に陳謝する。

「女将、煩くしてすみません」

イエイエ慣れておりますと、笑顔で返された。

それからメンバー達は、当たり障りのない話題で適当に時間をやり過ごし、やっとお開きになったことで、閉塞感に押しつぶれそうだった気持ちを、解放させた。



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