拝啓 元カレ上司サマ
「ええーと、麗香…ずっと君に謝らないといけないと思っていたんだ」
昔々のブッチュー写真が発端で別れに至ったことや、記憶喪失の時の麗香への非礼の数々、そして、その全部が、麗香を絶望の縁に追いやったことを自覚している煌太は、心の底から謝罪する。
前にオーナーから聞いた、麗香がどん底にいた時に、自ら命を絶つ可能性だってあった話は、煌太を打ちのめす程のものであったのだから。
どんなに煌太が謝罪の言葉を並べてみても、もしかしたら、麗香の心には響かないかも知れない。
それでも何とかして、ここから新たに始めたいと切に願っているのは本心である。