拝啓 元カレ上司サマ

煌太の話をじっと聞いていた麗香は、一瞬困惑したように見えたけれど、直ぐに元の表情に戻って言った。

「岡谷さん、罰ゲームのことで私達が別れてしまったのは、貴方も私も悪かった。そして、二人とも若かった。きっと、仕方のないことだったんです」

少し伏し目がちに話す麗香は、憂いを帯びて余計に美しい。

どうしてあの時、彼女の手を離してしまったのだろう。

どうしてあの時、直ぐに追いかけなかったのだろう。

悔やんでも悔やみきれない、複雑な思いが煌太の心を覆っていった。




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