拝啓 元カレ上司サマ
けれども、麗香と周りの者の棘の刺さったその思いは、彼女が宗也と出会うことで、多少なりとも昇華出来たのではないか。
例え、夫が早くに死んでしまったとしても、二人が愛し慈しみ育んだ幸せな時間があったことは重要で、それはきっと、彼が天国に逝ってしまったとしても、決して消えたりはしない。
しかしその一方で、煌太や元妻や家族達は、きっと未だに鬱々とした感情を何処かに隠し持って生きているに違いない。
何とまあ、元カノ元カレで、所謂、真逆と言ってもいいような人生を歩んで来たことだろうか。