拝啓 元カレ上司サマ
助太刀致す
煌太は最後に、申し訳なさそうに付け加えた。
許されることならば、これからの人生を、麗香と過ごしていきたいと、迷惑だと思われようとも、係わっていきたいと。
しかし、“いまさら”、それが、煌太の謝罪を受けての麗香の感想である。
もう何年も前の、麗香としては、とっくの昔に区切りを付けて生きてきたのだから。
三人の子宝にも恵まれて、宗也と幸せな家庭を築いてきたという自負もある。
従って、彼女にとっての煌太の存在と言うのは、本当に過去になってしまったのだ。
そして、煌太のある意味ストーカー宣言は、意表を突かれたと言うか、全く考えたこともないもので、麗香は呆然としてしまった。