拝啓 元カレ上司サマ
もちろん煌太も、一周忌が過ぎたばかりの麗香親子に、無理矢理どうのとは今は考えてはいない。
もしも煌太を必要としてくれるならば、何時でも手を貸してやりたいと思っているのだ。
宗也を失ってまだ一年、麗香はまだ夫を愛しているし、幼い子供達のこともある。
それに、記憶喪失が原因だとは言え、過去に煌太から拒絶された経験は、予想以上のトラウマとなっていて、彼を受け入れることは考えられない…今のところは。
そんな麗香は、煌太の好意に対して、素っ気ない態度で応酬しようとしていると、ちょうどそこへ子供達がやって来て、煌太にまとわり付いてきた。