拝啓 元カレ上司サマ
子供達が実家へ行っている間、麗香は独りぼっちになった。
結婚後は必ず宗也が居て、そして子供達が次々と誕生する中、忙しくも賑やかな日々を過ごしてきたので、寂しいなどと感じることなど皆無であったのだ。
しかし、宗也が他界してからはあっと言う間で、今回のように風邪を拗らせて、麗香は、誰かと一緒にいることの大切さを実感してしまう事態となってしまった。
寝込んでいるからそう感じるのかも知れないけれど、いずれ子供達が独立したら、自分が独居老人になるであろうことは想像に難くない。
本当にそれでも平気なのかと、体調が悪いながらも麗香は考えていた。