拝啓 元カレ上司サマ

想い


「ヒャーッ」

声にならない声を出して、麗香は後退ってゼエゼエと肩で息をする。

そして、ダイニングテーブルに置いてあったトレーで何とか防御姿勢をとって、目を瞑る。

すると、おいおい、よく見てみろよと、聞いたことのある声がしたので、恐る恐る目を開けてみる。

麗香の自宅のキッチンに、なぜなぜどうして、煌太がエプロン姿でお玉を持っているのだろうかと、くらくらする頭で考えているのだが、恐らくあるはずのない光景が目に入り、麗香は余程ショックだったのか、フラフラしながら椅子に腰掛けた。







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