拝啓 元カレ上司サマ
「…?!」
一瞬状況が掴めなかったけれど、風邪で寝込んでいる時に、わざわざ──下心があることは明らかであるが──やって来て看病してくれる煌太に、もはや嫌なイメージはなくなっていた。
が、しかし、今のところ付き合っている訳でもない麗香を、背中側から抱き締めて眠ってしまっている煌太に、う~んと一つ唸って、彼の肩をゆさゆさと揺すってみる。
すると、年齢を重ねても相変わらずイケメン具合は半端ない煌太が、パッチリと目を開けた。