拝啓 元カレ上司サマ
予知能力が云々は別にしても、麗香は嬉しかったのだ、
まだ若かりし頃に愛した、好きで好きで仕方なかった男性からのプロポーズだ。
かつて、麗香がどんなに望んでももらえなかった言葉を、今やっと聞くことが出来たのだ。
天にも昇る心地とはこのことかと噛み締めていたが、子供達がどう思うだろうか、天国にいる宗也は許してくれるだろうかと不安になる。
熱に魘されていた時に見た、宗也が出てきたあれはたかが夢に過ぎない。
それに、田上の義父母はどう反応するのだろう。