拝啓 元カレ上司サマ

三人の孫達に会えた喜びで、思わず抱き締める宗也の母親。

孫達もやっと緊張から解放されたのか、キャッキャ、キャッキャと可愛らしい笑い声が聞こえる。

後から遅れて宗也の父親がやって来て、直ぐさま、三人をぎゅうっとして頬擦りする。

一人息子だった宗也の、大切な大切な忘れ形見である彼らを大層可愛がっているけれど、彼が亡くなってしまったことによるこの義父母の心労は如何ばかりかと、麗香は常々気に掛けてきた。

子供達が宗也の代わりに彼らを癒してくれることを願って、麗香は労しげに二人に目をやった。








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