拝啓 元カレ上司サマ
自分はどうしたら良いのだろうかと目を伏せていると、義父が見かねて泣き出しそうな義母の背中を摩って、麗香の方に向き直る。
そして、穏やかな笑顔で麗香に語り掛けた。
「岡谷さんと、男と男の約束をしたんだよ。彼なら麗香さんを、今度こそ幸せにしてくれる。私達はそう感じたんだよ」
義父が言うには、どうやら、麗香を幸せにしなければ、社会人として抹殺してやると脅したとかどうだとか。
「い、いったい何を話したんですか…?」
と、些か心配になったけれども、宗也に似たニカッとした笑い顔を見た途端、麗香の目から涙が溢れた。