拝啓 元カレ上司サマ
一瞬、悠一郎の言っていることが分からない様子であったけれど、あっと大きな声を出した幸二郎が思い出したのか、薫子の耳元でゴニョゴニョ何やら言っている。
そして、薫子も分かったーと、兄達にニカッと大きい笑顔を送った。
そのニカッという笑い顔は、祖父から父親、そして、子供達へと確実に遺伝しているのだと、何だか微笑ましく思う麗香であったが、宗也が子供達のこんな小さな表情にも生きているのかと、またまた、涙ぐむ。
しかし、今度こそは、嬉しい涙だった。