拝啓 元カレ上司サマ
幸せ
その後、煌太と麗香には二人の女の子が次々に生まれて、兄妹は3人から5人へと増えたが、その間、長男の悠一郎が先ず先に中学の寮に入り、そしてその数年後には、次男の幸二郎が同じ中学に入学した。
当初は麗香も寂しがっていたけれど、新たに生まれた二人の女の子の世話で、てんやわんやといった状態だったから、二人の男の子達を信じ、彼らの将来のためにと、涙を飲んで送り出したのだった。
しかしながら、家にはまだ、煌太ともう一人の頼れる存在が居た。
長女の薫子は、実によく小さな妹達の世話をしてくれて、今では、岡谷家の二人目の女主人のようだ。
田上の血を引くお嬢様ではあるけれど、今は、可愛い可愛い妹達と一緒にあれこれしてみたいと、夢膨らませる女の子であった。