拝啓 元カレ上司サマ

麗香が大学３年になった春、この男性(ヒト)だけは信じられる、そう思わせてくれたのが煌太であった。

麗香からは、決して焦らず、煽らず、諦めずの大人の対応を見せてくれる、少し年上の大人の男性(ヒト)だと見られていたのだが、実際には、煌太が大人ぶって、嫉妬深いただの２７歳の男だ、ということを愛する彼女に知られぬように、必死になっていたのだ。

そんなこととも露知らず、その頃にはもう、煌太のことしか目に入らないくらいになっていた麗香。

そして熱烈なプロポーズ紛いの、煌太からの臭い台詞の告白で、麗香は完全に堕ちてしまったのだから。

「俺には君が必要なんだ。絶対に君を裏切らない。お願いだ。俺のものになってくれ。幸せにする」