今夜、最強総長の熱い体温に溺れる。 - DARK&COLD -

冷静に考えれば、マナーモードにしていたり、電源を切っていたり。はたまた眠っているとか、そういう話も十分ありえる話で。


そもそも……。
私が響平の番号を知っていても、響平は私の番号だとは分からないわけだから、見覚えのない連絡先を拒否していることも考えられる。

悲観的になるのはまだ早いと思い直して、その後も1時間おきに電話を掛けていたけれど──。


「よし! そろそろクラブ行こっか~」

とうとう夜になっても連絡が取れることはなかった。


周りが騒ぐ中で私はひとり、不安にかられていた。

響平のネックレスはバックに入れて持ってきたけど、会えるのかな……。



そんな私をよそに、国吉くんはすでに前を歩き始めていた。


「国吉くんがいるなら心強いよね」
「ちゃんと瑠花ちゃんのこと守ってあげなよ~?」
「気を回して、あとからふたりきりにしてあげよっか!」


他の子に囲まれながら、なにやら盛り上がっている様子。

会話は聞き取れないけれど、まだ街に着く前だというのに興奮が伝わってくる。

美月ちゃんだけが、私のペースに合わせて隣に並んでくれていた。
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