今夜、最強総長の熱い体温に溺れる。 - DARK&COLD -
そんなやり取りをしているうちに、みんなとの距離がどんどん離れてしまっている。
急がないと見失ってしまうと思い足を早めれば、なぜか国吉くんの手が私を引き止めた。
「どうしたの?」
「いや。……やっぱ、謝ってほしいなと思って」
「えっ?」
「応援するとか言われて、俺傷ついたし」
何の話なのか一瞬わからず、話を巻き戻す。
傷つくってなんで?
不思議に思って、もう一度国吉くんを見上げたとき。
「――瑠花ちゃん?」
聞き覚えのある声が、後ろから飛んできた。
「おおっ、やっぱり瑠花ちゃんだ」
私の前に回りこんでニコッと無邪気な笑顔を向けてきたのは
泉くん。
銀色の柔らかそうな前髪に、今日は赤いヘアピンが刺さっていた。