今夜、最強総長の熱い体温に溺れる。 - DARK&COLD -
たった1週間前のことなのに、泉くんの顔を見たとたん、なぜか懐かしい気持ちになる。
「って、まさかの男連れ~っ?」
大げさに退いてみせた泉くんを見て、国吉くんも同じように目を丸くしていた。
それもそうだ。
この街に足を踏み入れること自体びっくりなのに、見るからに派手な格好をした男子と私が知り合いだなんて。
「違うよ。今日は友だちと来てて……ほら、前のほうを歩いてるあの4人と一緒に」
美月ちゃんたちのほうを指差すと、一応は納得したようにうなずいた泉くん。
「それにしても、響平というものがありながら……見つかったら殺されんじゃないの?」
おどけた口調でそう言いながら、私たちの少し前を歩き出す。
泉くんは私に『響平というものがありながら』と、たしかにそう言った。
ということは、少なくとも泉くんの中では、私はまだ響平の彼女だと認識されていることになる。
どうして?
二人は仲が良さそうに見えたのに、響平は本当のことを泉くんに話してないのかな……。