今夜、最強総長の熱い体温に溺れる。 - DARK&COLD -

丸2日閉じこめられるなんて、普通じゃない気がする。


そもそも、誰が──。

隣に国吉くんがいることもあって、その先はなかなか聞けなかった。



前にいた美月ちゃんたちがこちらを振り返り、早く来なよと手招きをする。



「じゃあ俺は用があるから。またね、瑠花ちゃん」


泉くんは手を振りながら、狭い路地に入っていってしまった。



「あいつ誰?」

泉くんが去っていったあとで、国吉くんが聞いてくる。


「あー、えっと、昔の知り合い?」


 疑わしげな目が向けられて冷や汗が垂れたとき。


「瑠花ちゃんと国吉くん、遅いよ~」


タイミングよく寮の子が話しかけてくれて、ごめんね、と足早にその子たちに近づいた。

先頭の美月ちゃんがお店の扉に手を伸ばすと

心臓がドクリと音を鳴らした。

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