今夜、最強総長の熱い体温に溺れる。 - DARK&COLD -
「……響平、」
1週間会わなかっただけなのに、どうしてか涙が浮かび始める。
溜まった雫がこぼれないように、瞬きを我慢してうつむいた。
瞳が乾いたのを確認してから視線を上げて、まずは彼の胸元あたりを見る。
「もう来ねぇかと思ったわ」
そう言った響平の声が優しい気がして、胸が締めつけられた。
「だってお前、全然電話掛けてこねぇし。紙に気づいてねぇのか、もう俺と会う気はねぇのか。どっちだ?って考えてた」
「紙には気づいたよ……ちゃんと。でも、今日、いっぱいかけたけど、響平、出なかったから」
「遅いんだっつの。スマホ、昨日から使えないんだよ」
「壊れたの?」
「橋の上で、瑠花から連絡来ねぇなーって画面見てたら、そんまま手から滑(すべ)って川に落ちた」
特になんでもないことのように、淡々と話す。
私のことを考えてた、なんて。嘘かほんとかわからない。
それなのに、おかしいくらい嬉しくなるのはどうしてだろう。