今夜、最強総長の熱い体温に溺れる。 - DARK&COLD -
「で。今から何するわけ?」
そう聞かれて、クラブにいるみんなを思い出す。
「今日、友達と来てて……。みんな、お店にいるから、そろそろ戻らないと」
せっかく会えたのに、と寂しい気持ちになる。
心の中で密かに、「俺も一緒に行く」というような返事を期待した。
だけど、次に聞こえてきたのは響平の声ではなく。
「──旗中……っ」
振り返ると息を切らした国吉くんが立っていて、私の隣に立つ人物を睨んでいた。
「誰だよお前。旗中から離れろ」
見たことのない険しい表情をしていたから、誤解を解こうと、慌てて駆け寄った。
「待って国吉くん。響平は……この人は、私の知り合いだから、……大丈夫」
私の言葉を聞いて、訝しげに眉をひそめた国吉くん。響平を一瞥して、私に視線を戻す。
「話はあとで聞く。とりあえず、中戻るぞ」
手を引かれた。
つかんでくる指が痛くて戸惑ったけれど、心配をかけてしまったのかもしれない。