今夜、最強総長の熱い体温に溺れる。 - DARK&COLD -
国吉くんの力に流されるまま足が動く。
その直後。
もう一方の手をつかまれて、びくりと肩が上がった。
どこかぎこちない触り方で、
それでも、決して離そうとはしない力強さ。
「瑠花、」
その声が私の名前を呼ぶだけで、胸の内側が火傷してしまうんじゃないかというくらい熱くなる。
驚きで声も出ない私の代わりに、国吉くんが響平の前に回りこんだ。
「なんだよ」
響平は顔色一つ変えないで言う。
「1時間後にはちゃんと店に帰す」
「は?」
「だから、瑠花のこと貸して」
「いきなり何言って、」
「大丈夫。大事にする」
次の瞬間には、響平の腕の中にいた。
ほのかなシトラスに包まれる。
そして、背中に回った手が、さらに細い路地へと私をうながした。