今夜、最強総長の熱い体温に溺れる。 - DARK&COLD -
そんなことを言っている間も響平の手は服の中に入りこんできて、弱いところを探り当てようとしてくるから、私は言葉を返す余裕を少しずつ失っていく。
「響平、」
「うん?」
「あの、手……」
「せっかく会えたんだし、これくらいいいだろ」
なんの躊躇いもなく触れてくる響平に戸惑いながらも抵抗する余裕はなく、されるがまま。
私のことを知り尽くしているように手を滑らせ、ときおり止めて、力をこめる。
その緩急が絶妙で、もどかしい気持ちがふくらみ始めた。
「……っ、」
熱い吐息がこぼれそうになり唇を噛めば、綺麗な黒目が細められ。
「力抜けって言ったろ」
小さく笑いながら、流れてきた私の髪を再び耳にかける。
「ん。コレだいぶ薄くなったな」
その言葉だけで、何のことを言っているのかわかった。
やっぱり響平につけられた痕だったんだ。
思い当たる人は最初から響平しかいなかったけれど、実感したとたん、心に火がついたみたいに熱くなる。