今夜、最強総長の熱い体温に溺れる。 - DARK&COLD -


「早く新しいスマホ買わねえとな。お前に会いたいとき連絡できないんじゃ困る」



口でそんなことを言いながら、手は一向に止まる気配がない。

一つの個所を執拗に攻めることはしない響平。

一定の区間を行ったり来たり、じっくり焦らしながらなぞる、といった動きで、甘くいじわるに翻弄してくる。



「なあ、お前の番号なに?」

「……っ。番、号?」


「今度は俺から掛けるから」

「……う……っあ、」



答えようとすれば、力を強めて。


「なあ、俺の話聞いてる?」


自分から余裕を奪っておいて、意地悪なことを言ってくる。



番号なんて、絶対、今じゃなくてもいいのに。


「……めて」

「うん?」

「……ちゃんと答えるから、手……止めて」



必死になりながら見上げると、響平の口角がゆるやかに上がって。

試すような瞳が私を射抜いてきた。
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