今夜、最強総長の熱い体温に溺れる。 - DARK&COLD -
「なんか、じゃわかんねぇよ。ちゃんと最後まで言え」
無理やり入りこんでくるような、無神経な指先は嫌いじゃない。
それどころか、焦らされると先をねだってしまいたくなるから困る。
でも、何となく怖くて寂しいの。
「いやなのか」
「……いやじゃない」
「なら、なんでダメなの」
「……怖いから」
「怖い?……俺のことが?」
触れられると、自分が何に対して不安になっているのかも、わからなくなってくる。
響平が私をわからなくさせるから、怖い。
好きだと思った人がすぐそばにいて、自分に触れている。そんな現実に頭がついていかない。
今までだったらありえない状況は、“幸せ”よりも先に“戸惑い”を与えてくるから、話があまりにできすぎているように感じてしまうんだ。
「響平は、なんですぐ私に……こういうことするの?」
息を切らしながら疑問をぶつけた直後、響平がわずかに眉をひそめたのを見て後悔する。