今夜、最強総長の熱い体温に溺れる。 - DARK&COLD -

「違う、なんでもない。……答えなくていいよ」


こんなの、私のことをどう思ってるの、と言っているようなもの。

しまには体を離されて、急に突き放された気分になり、唇を噛む。


こんなことになるならヘンに抵抗せず、身を任せていればよかった。

響平に触れられること自体はすごく嬉しいのに、どうしてか少しの不安を無視できない。



無言で体を離した響平の表情は、ちょうど影になって見えなかった。


私は乱れた服装をもとに戻し、次のセリフを必死で探すけれど、響平は立ち上がって背中を向けてしまった。


こんな流れにしてしまったのは私。

そのままドアのほうへ向かっていく姿をソファの上でぼんやりと見つめながら、これからどうしよう、と考える。


きっと響平は、ひとりで部屋を出ていくと思ったから。



──だけど。

ドアの手前で振り向いたかと思えば、その瞳はたしかに私を捉えていて。



「いつまで座ってんだ。ついてこいよ」


相変わらず抑揚のない声でそう言った。
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