今夜、最強総長の熱い体温に溺れる。 - DARK&COLD -
席を立った私は、無意識に拳を握りしめていて。
それでも視線は、二人に釘づけ。
ぐらり、と一瞬、視界が歪む。
目眩。
「うそ、やっぱりきょうくんだ……! どうしよう、私もう、二度と会えないと思ってて……夢じゃないよねっ?」
徐々に涙声になっていく美月ちゃん。
「おー、久々。変わってねーなぁ美月。いや、前よりキレーになってるか」
ほんとにふたりは、繋がってたんだ……。
私の入る隙なんてない。
──大丈夫。ちゃんと、息を吸って。
「……旗中?」
ソファに座りこむと、耳元で、国吉くんのひそめた声が聞こえた。
「……美月ちゃんなの」
「え?」
「響平が、……あの人が好きなのは、美月ちゃんなの」
泉くんが前に、響平には忘れられない子がいるって言ってた。
このふたりの感じからして、ずいぶん会ってなかったみたいだし、間違いないよね……。