今夜、最強総長の熱い体温に溺れる。 - DARK&COLD -
ここまできて否定してもあまり意味がないと思い、正直に答えようとした。
それでもやっぱり恥ずかしかったのか、出てきたのはあいまいな言葉。
「たぶんって……。てか、いつから知り合い? 俺は旗中が、思ったより不良でびっくりしたんだけど」
「うん……。ごめんね。響平と知り合ったのは、たまたまなんだ。先週ここに来たときに、絡まれたのを助けてくれて」
今日に至った流れを一通り説明すると、国吉くんはうなずいて、ゆっくりと息を落とした。
「“夕立響平”、か……」
ぽつりとそうこぼした横顔は、どこか険しくて不安になる。
「なんでフルネームを……?」
「昔、気になったネット記事で名前を見たことがあるんだよ」
「ネット記事?」
そういえば、響平は昔は外の人間だったって言ってた。
でも響平がどんな男か……なんて。
知った気になってたけど、本当はまだ何も知らない。