今夜、最強総長の熱い体温に溺れる。 - DARK&COLD -
「響平、どうしたの?」
はあ……と苦しそうな呼吸が響く。
心臓が早鐘を打った。
「響平っ、ねえ、倒れたの……っ?」
『あの、さ……』
「っ、うん。どうしたのっ?」
『ちょ、俺いま迷子……なんだけど』
「迷子!?」
『事情あって街出てきたんだわ……。で、まあ、いろいろあって、てか、あんま記憶なくて』
「へ……? どういうこと」
全く状況が読めないけど、響平がなんらかの危機だってことはわかった。
「響平、今どこにいるの……」
『だから、それがわかんねーんだって。でもたぶんお前の学校のそば。……南高の校舎見える』
「なにか他に目印になるものとかはっ?」
相変わらず荒い呼吸を繰り返す響平。
『コンビ二の裏に、倒れてんだけど……、救急車とか呼ばれたらやばいから、来て、くんね……?』
救急車って……!
そんなにひどい状態なの!?
「待ってて、すぐ行くから……っ」
まるで状況がわからないけれど、とにかく行かなくちゃ……と。
ふらつく足取りで部屋を出た。