今夜、最強総長の熱い体温に溺れる。 - DARK&COLD -
息を弾ませながら辿り着いた、学校の近くにあるコンビニの裏口。
点滅する古びた外灯が、響平の姿をぼんやりと照らしている。
「響平……っ」
さあ……と全身の血液が引いていく感じがした。
心臓をわしづかみにされたみたいに苦しい。
ブロック塀に背中を預けた状態でぐったりと目を閉じている人物に駆け寄ると、相手はわずかに反応して。
それでも、うっすらと開いた瞳は虚ろで、目の前の私ではなく、どこか遠くを見ているようだった。
「響平、なんで……大丈夫っ?」
「騒ぎ立てんな。しばらくしたら収まる」
「っ、とにかく、救急車とか……」
「呼ばなくていい」
「でも……!」
「呼ぶな」
強い口調で言われると、従うしかなかった。
「クスリ打たれただけだ」
「薬?」
「そんなヤバいもんじゃねー。一時的に動けなくなるクスリだ」
そんなの、いったい誰が……。
そう問いかけたとき、響平のそばに落ちていたスマホが音を鳴らした。