今夜、最強総長の熱い体温に溺れる。 - DARK&COLD -
「要望?」
「やりてえ、っつったの俺だし。俺ばっかワガママ言うのもおかしいだろ。どうしてほしいとか、こういうのが好きとか、ねぇの?」
平然とした表情でそう言われ、響平と私の“当たり前”が全く違うことを改めて実感する。
私は響平以外、知らないのに。
「別に……響平がしたいように、してくれれば」
「それじゃ意味ねえだろ」
そうは言われても、わからないものはわからないし。
響平がそばにいるだけで、どうにかなりそうなくらいドキドキして、それだけでいいと思うのに。
「瑠花。早く」
急かされて焦ってしまう。
してほしいこと。
ただ、こうやってくっついて、目を合わせて。
あとは──。
「……ス」
「うん?」
「……キス、したい」
火がついたみたいに、顔がボッと熱くなった。
私はいったい何を言っているの。
うっかり気を抜けば、心の奥に秘めたものが溢れ出してしまう。