今夜、最強総長の熱い体温に溺れる。 - DARK&COLD -

「要望?」

「やりてえ、っつったの俺だし。俺ばっかワガママ言うのもおかしいだろ。どうしてほしいとか、こういうのが好きとか、ねぇの?」



平然とした表情でそう言われ、響平と私の“当たり前”が全く違うことを改めて実感する。

私は響平以外、知らないのに。



「別に……響平がしたいように、してくれれば」

「それじゃ意味ねえだろ」



そうは言われても、わからないものはわからないし。

響平がそばにいるだけで、どうにかなりそうなくらいドキドキして、それだけでいいと思うのに。



「瑠花。早く」


急かされて焦ってしまう。


してほしいこと。

ただ、こうやってくっついて、目を合わせて。

あとは──。



「……ス」

「うん?」

「……キス、したい」


火がついたみたいに、顔がボッと熱くなった。


私はいったい何を言っているの。


うっかり気を抜けば、心の奥に秘めたものが溢れ出してしまう。
< 151 / 327 >

この作品をシェア

pagetop